紅陽華 様投稿作品




自分が好きだった人が大好きだった人が、死んでしまいました。


あなただったら――――その人を、どう慰めてあげますか?





大好きだよ






「皆、今日もお疲れさん」
「お疲れ」
「おつかれー」
「お疲れ様」
「お疲れ様でした」
今日の『FRIENDS』のお仕事もいつも通りに終わった。
ご主人様とみどーは倉庫の方へ、ボクととばりちゃんと美和ちゃんは専用の控え室へ。
そこがそれぞれの更衣室になってる。
「…………」
「な、何、とばりちゃん?」
さっきからとばりちゃんに――胸の方を――見られてた美和ちゃんが言うと、
「…いや、美和は胸大きくて羨ましいな〜って思って……Dカップでしょ?」
「でも、とばりちゃんだってCあるじゃない。一つ違うだけだし……」
「その一つ違いが女の色気の大きな差になるのよ。分かってないなぁ、美和は」
胸の大きさの事で話してる―――それで、色気がどうとか。
「で、でも、別に胸の大きさで女の人の良さが決められるワケじゃないし……」
「確かにね。でも、大抵の男は大きい胸が好きなのよ。まぁ、中には例外もいるけど……
でもほしのえみとか胸大きいでしょ? だからアレだけ人気があるのよ。グラビアアイドルとかは、
胸が大きい方が人気があるし」
「……はぅ…じゃ、ご主人様胸ちっさい女の子嫌いなのかな………?」
ボクは二人に聞いてみた。何だか泣きたい気分。
ボクの胸の大きさは最低クラスのAカップ(ってこの前とばりちゃんに教えてもらった)。もしとばりちゃんの言ってる事がご主人様にも
当てはまるなら、ボクはあんまりご主人様の好きな女の子じゃないって事になる。
美和ちゃんが、
「そ、そんな事無いよひなたちゃん。さっき私が言ったように、女の人の良さは胸の大きさだけじゃ
ないって」
言い出しっぺのとばりちゃんも、
「そ、そうそう。もしかしたら潤は逆に胸の小さい女の子が好きかもしれなし――――、
それにほら、ひなたには胸が小さくても他に良い所いっぱいあるじゃない」
「ホント? 例えば例えば?」
「例えば………そうね、やっぱりひなたの一番の良い所といえばその元気の良さと笑顔ね。
もし潤が落ち込んでても、アンタ自慢の元気と笑顔で、励ましてあげる事だって出来るわ」
「もしご主人様が落ち込んでても、励ましてあげられる………」
「そう。それはまぁ、潤の妹の美和や、あたしにも出来る事だけど………潤が落ち込んでたら、
やっぱり一番元気付ける薬になるのは、ひなただと思うな」
ご主人様を元気にするお薬。
それが、ボク――――――。


「あっ、ご主人様、お月様だよー」
「おっ、今日はよく月が見えるな………あともう少ししたら、満月になるかな」
マンションへの帰り道。夜空を見上げると、そこには白く輝くお月様があった。
半月の左端がちょこっと膨れたようなお月様。ご主人様の言う通り、もう少しで満月に
なりそうだ。
お月様、かぁ………さちおねえちゃんが大好きだったな。よく眺めてたもん。
色んな形のお月様があるけど、その形にはその形の美しさがあるって言ってたな。
小さい頃はよく分かんなかったけど、今ならさちおねえちゃんの言ってた事の意味が分かる
気がする。


その後、マンションに帰り着いたご主人様とボクは夜ご飯食べて、お風呂に入って、テレビを見て――――。
気付けば、もう時刻は午後十時。
普通だったら、もうお休みの時間。だけど―――、
「ご主人様…………」
「ん?」
「あのね、今日、その………」
「ああ、分かった」
ご主人様は、ボクが何をしたいのか分かったようだ。

それから、二人でベッドに向かうと、そこに寝そべってから、
「じゃあ、まずはキスからだな………んっ」
「ふむっ……くちゅ………」
互いに唇を重ね合い、口内で舌を絡ませる。
普通のキスじゃない、淫らなキス。コレだけでもう体が熱くなってきた。
突然、ご主人様がセーターの中に手を入れて、ボクの胸を触ってきた。
ボクの小さな胸を撫でるように触り、指で乳首も愛撫する。
「ぷはっ……あっ、ご主人様ぁ……」
指での乳首の愛撫が続く。このくすぐったさは、いつされても感じてしまう。
「はんっ……ご主人様、ボクのおっぱい、もう少し大きい方が、良かった?」
「そんな事無いさ。ひなたは小さい胸の方が似合ってる。その方が可愛いよ」
「ホント?」
「本当さ。さちもそうだった―――お前と同じくらいの大きさだったしな」
そっか、さちおねえちゃんも胸小さかったんだ…………
ご主人様の愛撫が終わると、今度はボクがご主人様を気持ちよくしてあげる番。
ご主人様の股間に顔を近づけ、ファスナーを下げる。
「わぁ…ご主人様の、もうおっきくなってる」
先端をぺろり。
「…うっ…………」
「ぺろ……ぴちゃ…ちゅる………」
舌でご主人様のモノの色んな所舐めたり、ちょっと吸い付いたり。
ご主人様の手が、ボクの頭に乗せられる。そして、優しく撫でてくれる。
「ちゅう………はむっ……」
「……くっ。ひなた、もういい」
ボクはご主人様のから口を離す。もう体が熱って熱ってしょうがないから、
着ている物を全部脱いで裸になる。
そして、後ろを向いて、腰だけを上げた伏せの体勢に。
「ご主人様――――」
「後ろから入れてほしいんだな? ひなたは本当に後ろからが好きだな」
「だって、ボク犬耳っ子だもん」
ボクの大切な部分にご主人様のがあてがわれ、徐々に中へ………
「んっ…………はんっ!」
ご主人様のが、全部ボクの中に入った。コレでボクとご主人様は一つに繋がった。
「じゃ、動くぞ、ひなた………」
「うん………」
ご主人様のが、ボクの中に出入りする。この感覚は気持ちいいという言葉意外では、
口には表せられない。
「んあっ、くぅん………ひっ、あぅ……」
「凄いな、ひなたの中、どんどんキツく………」
そういいながら、ご主人様の手が、ボクのある場所を触った。それは、シッポ。
「ひゃうっ! ご、ご主人様っ、シッポ、触っちゃ……やぁっ!」
「そういえば、シッポを触られるのを嫌がるけど、触られたら何かマズイのか?」
「だっ、だって、シッポ……あんっ、シッポ触られたら――ひんっ、何でか、分からないけど……
余計、感じ……ふぁんっ!」
本当は知ってるくせに――いや、知ってるからだろうけど――ご主人様をシッポを掴んだ手を離さない。
いじわる。でも、そんなご主人様が、ボクは大好きだ。
でも――――、ご主人様が本当に好きなのは。

さちおねえちゃん。

いつもご主人様が学校に来るのを待っていたさちおねえちゃん。
血は繋がってなかったけど、本当のお姉さんみたいだったさちおねえちゃん。
ご主人様の事、ボクと同じくらい――もしかしたらボク以上に――大好きだったさちおねえちゃん。
でも、もうさちおねえちゃんは、この世にはいない。死んじゃった。
ご主人様は、きっとすっごくすっごく悲しんだだろう。たくさんたくさん泣いただろう。

今日、とばりちゃんは言ってくれた。
ご主人様が落ち込んでても、ボクの自慢の元気と笑顔で、励ましてあげれるって。
ご主人様が落ち込んでたら、やっぱり一番元気付ける薬になるのは、ボクだって。
主従関係でもいい。恋愛感情なんかじゃなくてもいい。
ボクがご主人様の事が好き。ご主人様もボクを好きでいてくれてる。
さちおねえちゃんの代わりになる事は出来ないけど………
もし、ボクの元気と笑顔で、ご主人様の笑顔が、幸せが続くのなら。
さちおねえちゃん、ボクは―――――。


「くっ――――――」
「はっ、はっ、―――――ご主人様ぁぁぁぁ!!」
二人一緒に絶頂を向かえ、ご主人様のから、熱いモノがボクの中に流れ込む。
「はぁ、はぁ、はぁ…………」
「はぁ……ご主人様、気持ちよかった?」
ご主人様は、ボクの頭を撫でながら、
「ああ、気持ちよかったよ、ひなた―――――」
笑顔で答えてくれた。




さちおねえちゃん、見てる?

ご主人様、すっごく幸せそうだよ。

これからも、ご主人様の笑顔をたくさんたくさん見たいから。

ボク、ご主人様の事、大好きでいていいよね?

さちおねえちゃん――――――。













後書き――――というか謝罪
すいません、何か明らかに明るいひなたのイメージブチ壊しの表現が後半から……
この場を借りて謝ります。本当にゴメンなさいOTL
つーか、それ以前に載せてもらえるのか、このSS…………?
でも、後悔はしていません。自分の思い通りのSSが書けたので。
んでもって、何で初投稿の作品で愛奴ルートの潤&ひなた使ったんだろと後悔しています(そこ?


その他の話。
実は、美奈×ケンタ、潤×ひなたのアダルトSSは、どちらも大塚愛さんの『大好きだよ』
という曲の歌詞から題名を取っています。
大塚愛さんの曲は基本的に恋歌で素晴らしい曲ばかりなので、一度聞いてみてください。
自分、昔から好きな曲のタイトルもしくは歌詞をSSの題名にしていみたいな〜という願望がありましたので。
(ケンタ過去話のタイトルも、SMAPの『ありがとう』から取ったんです)
今のところ、WaTの『僕のきもち』『5センチ』を題名にしたSSを書きたいと思ってます。

次はとばりととばりのご主人様との18禁SS書きたいなぁ………
アレ、それって可能だったっけ? いかん、大まかなストーリーすら忘れてるな。
早くNEWパソコンかって再プレイしたいものです………
それじゃあ、今日はここまで。以上紅陽華でした。ではでは〜〜〜♪







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