紅陽華 様投稿作品
クリスマスですね、皆さん。
クリスマスといえば、やっぱりパーティですよね(ちょっw無理矢理www)
というワケで、今日は楽しいクリスマスパーティの舞台裏を少し覗いてみましょうか。
聖夜の宴
クリスマスパーティー開催前。ここは『FRIENDS』の厨房。
「………で、ケーキ作りに取り掛かるワケだけど…」
とばりが周りを見る。その場には、ケーキを作るのに必要な材料、器具は全て揃っている。
で、そのケーキを作るメンバーは……
「何で私達だけなのよ……」
とばりを含めて、セイヤとまゆみの三人のみ。
潤とひなたと美和は買い出しに、美奈と晴彦は料理、残りは今せっせと飾り付けをしている。
「しょうがないよ、他のみんなにも仕事はあるんだから」
「まぁケーキ二つ作るくらい、三人で充分だろ。素材は揃ってるし、今からなら間に合うって」
「じゃ、時間も惜しいし、さっさと作りましょ」
とばりの一言で、早速ケーキ作りに取り掛かる二人。
まずは、土台となるスポンジケーキから。
「二個作るんだし、片方はショート、もう片方はチョコレートケーキにしよう」
「じゃあ、チョコの方はコレ使ってみるか?」
そういってセイヤが手に取って見せたのは、
「……コーヒー?」
コーヒーの豆一瓶分。
「いやぁ、御堂さんも気が利くなぁ。こんなのまで用意してくれてるなんて」
「えっ…? コーヒー使うの?」
「あぁ。今回スポンジ生地は卵白と卵黄を同時に泡立てる共立法で、パータ・ジェノワーズにする。その際にこのコーヒー豆の
粉末を混ぜれば、パータ・ジェノワーズ・オ・カフェってのになるんだ。ココアパウダーでショコラも良いけど、チョコとコーヒーって
結構合うと思うんだ」
「へぇ……セイヤ結構詳しいのね」
「いやだって、コレに書いてあるし」
そう言ってセイヤが指さしたのは、一冊の本。『家庭やお店で役立つ製菓本』という題名が書かれていた。
御堂にしては、本当に気が利く。とばりはそう思った。
「よし、その案でいきましょ。じゃっ、早速制作開始!」
まずは卵を割って砂糖、小麦粉と一緒にボウルの中に。両方とも十二人分作るので、相当の量を入れる。
かき混ぜ役はセイヤとまゆみ。
かき混ぜは電動泡だて器で。当然型も特大のモノを使う。
「……結構な量だね…間に合うかな……?」
「今からなら十分間に合うって」
やけに余裕のあるセイヤ。
一方のとばりは、ケーキに盛り付けるイチゴを切っている。
「ねぇ、チョコレートケーキの方にバナナを挟むってのはどう?」
「おぉ、それいいな! やろうやろう!」
ようやく泡立ても終わり、型に流し込んで、後はオーブンで焼くだけ。
「さて、次はクリーム作らないとね」
その頃買い出し担当はというと……
「……後、コレも買っておくかな……」
潤とひなたは今日のクリスマスパーティに出すお菓子類の買い出しに、少し遠くの街まで出かけていた。
「ご主人様、コレも買おっ♪」
ひなたがそう言って一袋のポテトチップスを持ってきた。
「ああ、そうだな。入れといてくれ」
「飲み物は何にしようか? お酒とか、いるかな」
「いや……酒類は止めとこう」
間違ってひなた達が飲んだら大変な事になるからだろう。
「じゃあ、普通のオレンジジュースとかでいいかな?」
「ああ、それでいいだろう」
「ねぇねぇご主人様」
「ん?」
「ボクのクリスマスプレゼント、用意してくれてる?」
「ああ、それの事か。当たり前だろ。中身は後のお楽しみ、な」
毎回、クリスマスパーティではみんなでクリスマスプレゼントを渡し合っている。
「わぁ〜、楽しみ〜♪」
一方、金沢宅の料理担当は……
「よ〜し、出来上がった!」
晴彦がオーブンから取り出したのは、こんがり焼き上がったローストチキン。
コレも拓也が用意していたモノである。
「やっぱりクリスマスパーティには、ローストチキンが欠かせないね」
「わぁ、おいしそ〜」
ケンタが目を輝かせて、シッポを千切れんばかりに振る。
「ケンタ、まだ食べちゃダメだからね」
「解ってるよ、ご主人様ぁ。ねぇ、何かボクに手伝える事無い?」
「そうねぇ…… じゃあ、お皿を何枚か出してくれる?」
「解ったよ」
ケンタは返事をした後、戸棚へと向かう。
「……っと。唐揚完成っと。コレで全部ね」
美奈の目の前には、唐揚の他に、ローストビーフ、エビフライ、フライドポテト等の料理。全て美奈と晴彦が作ったモノである。
「ご主人様、お皿用意しといたよ」
「ありがと。じゃ、一緒に盛り付けましょうか?」
「うんっ!」
そして、同じく金沢宅の飾り付け担当。
「……よし、周りはコレで終わりですね」
「ほな、次はツリーの飾り付けやな」
「ツリー本体ならもう出してまよー」
シュウは既にツリーを立て、ツリー用の装飾品も出していた。
早速、拓也と有紀、シュウの三人は飾り付けに取り掛かる。
「電球は、こんな感じの巻き付け方で良いですか?」
「ああ、それでええで。―――あっ、シュウ、そのサンタのはこっちに」
「はーい」
飾り付けは順調に進み―――。
「じゃあ、後はツリーの上にこの星を飾るだけね」
「あっ、それわたしがやります!!」
と、シュウが星をツリーに付けようとするが………
「…む〜……」
やっぱり身長が届かない。
「しょうがないなぁ……よっ、と」
「あっ……」
有紀がシュウを持ち上げる。
「シュウ、早く」
「は、はい」
シュウがツリーの頂点に星を飾ったのを確認して、有紀はシュウを下ろす。
「ありがとうございます、ご主人様」
「いやいや、どーいたしまいて。――コレで飾り付けは終わりね」
「後は、コレをここに……っと。よし、完成!」
「良い感じに仕上がったな」
「さて、後はパーティが開かれるのを待つだけね」
そして、遂にパーティ開催!
「メリークリスマース!!」
その場にいた全員が一斉にクラッカーを鳴らす。
「ねぇねぇ、もう食べてもいい?」
「おいおい、ひなたちょっと待てって」
「もうすぐサンタクロースがケーキを持ってくるから、それまで待ってなさい」
とばりがそう言うと、
「えっ!? サンタさんが来るの!?」
ケンタが嬉しそうにシッポを振る。
「あぁ、そろそろ……」
「ねぇ、セイヤお兄ちゃん……ご主人様と拓也さんは?」
「大丈夫、すぐ来るよ」
その時、ドアが勢いよく開いて、
「「メリークリスマース!!!」」
現れたのは、二人の男女のサンタクロース。当然拓也と有紀である。
手には、とばり達三人が作ったケーキ。
「わー! サンタクロースだー!!」
「サンタさんサンタさんー!!」
「……居ないと思ったら、そんな格好で…サプライズが好きなんですから、もう」
「わははー! サンタクロースがケーキを持ってきてやったでー!」
「さぁ、楽しいクリスマスパーティの始まりよー!」
それにしてもこのサンタクロース二人、ノリノリである。
「じゃあ、まずはプレゼント交換からしましょうか」
「あっ、そうそうご主人様、プレゼントプレゼント!!」
さっきまで料理を食べたがってたひなたが、今度はプレゼントとという言葉を聞いて、
潤にプレゼントをせがむ。
「そう慌てるなって……はい」
「わぁい!!」
プレゼントを渡たされただけで、シッポをはち切れんばかりに振って喜ぶひなた。
「ねぇねぇ、開けてもいい?」
「ああ、いいぞ」
早速ひなたは中身を開けてみると……
「わぁ、新しい首輪だ!」
今付けているのよりも、より明るい赤色の首輪。
「ありがとー、ご主人様ぁっ!!」
「うわっと! ……はは、喜んでもらえて嬉しいよ。と、次は美和のな」
「えっ、私の分もあるの?」
「勿論。…後、とばりの分も」
「あら、私は別にいるとか言ってないけど?」
「お前だけ仲間外れにするワケにはいかないだろ。―――はい」
潤は、とばりと美和にもプレゼントを渡す。
「ありがとう、お兄ちゃん」
「――まぁ、お礼は言わなくちゃね。ありがとう」
他のみんなも、プレゼントを渡し始める。
「ハイ、ケンタとセイヤのプレゼント。手編みなんだけど、気に入ってもらえた?」
「コレ、ご主人様が自分で作ったの? ありがとう!!」
「ありがとうございます、美奈さん。コレ大切にしますよ」
美奈は、ケンタとセイヤに手編みのマフラーを」
「はい、シュウには私特製の手袋!」
「わぁ! ありがとうございますぅ、ご主人様ぁ!!」
有紀は、シュウに同じく手編みの手袋。
「それじゃ、僕はコレ。気に入ってくれると良いけど」
「ご主人様のプレゼントが、気に入らないワケないじゃないですか。ありがとうございます」
晴彦も、まゆみへプレゼントを渡す。
そんな中、
「あの、オレも美奈さんに、プレゼントが…マフラーなんですけど、被っちゃいましたね」
「あっ、そうそう。コレ。私からのプレゼントです」
セイヤとまゆみの二人は、自分の主人へのプレゼントを渡す。
「あら、有難うセイヤ」
マフラーを受け取り、セイヤの頭を撫でる美奈。
「いやぁ、悪いね」
晴彦も、まゆみからのプレゼントを受け取る。
更に、
「あの……拓也さん、コレ……」
「え?」
「わ、私、からの……クリスマスプレゼント、です……」
「ほ、ホンマか!? 有難うな、有紀ちゃん!!」
「あ、あの、喜んでもらえるかどうか、解りませんけど……」
「まぁ、それは見てみんと……おぉっ! コレは!!」
有紀が拓也にプレゼントしたもの、それは……
「腕時計……それもそれなりに高そうな……」
「あの…気に入ってもらえました?」
「勿論やないか! ありがとな、有紀ちゃん!」
「ホントですか!? 喜んでもらえて嬉しいです!」
二人して喜ぶ拓也と有紀。
そして、プレゼント渡しが終わったところで、
「じゃ、いっただっきまーす!!」
「ボクもいただきまーす!」
ひなたとケンタが先に料理を食べ始める。
「それじゃ、ケーキ切るわね」
とばりはケーキを切り始める。
「じゃあ、飲み物ココに置いとくでー」
「有難うございます、じゃ、早速……」
セイヤが、拓也の置いた缶の飲み物を口にする。が、ある程度飲んでから……
「……あ、あれ…? 何かミョーに体が熱くなったよーな…」
「ちょっ、御堂コレ……」
潤が、先程セイヤが飲んだ缶の飲み物を取って見ると、
「お前、コレ酒じゃないか!!」
「とーぜん! 酒無くしてパーティが盛り上がるかー!!」
「そーですよね! 拓也さんの言う通り!!」
飲んでも無いのにこの二人、やけにハイである。
「バカ、ひなた達が間違って飲んだらどうする!!」
「あの、もう間違って飲んでるんですけど……」
「せっかくですから、この後カラオケでもして更に盛り上げます!?」
「お、えーなぁそれ!!」
「聞けよ!! ――まったくもう………」
こうして、パーティらしい盛り上がり(というか騒ぎ?)の中、みんなパーティを楽しんだのだった。
パーティが終わり、俺とひなたは既に帰宅していた。
さて、と。今日は疲れたし、早く寝たいな……とか思ってると、
「あのね、ご主人様……」
「ん? どうした?」
「あのね…あの、ボクからのクリスマスプレゼント、貰ってくれるかな?」
「えっ? ひなたの?」
いきなり言われたので少し驚いた。プレゼントなら、さっきも渡す機会はあったのに、何で今更?」
「何なんだ? あるんだったら、渡してくれないか?」
「うん、えっとね……」
そして、ひなたが取った行動に、俺は更に驚いた。
「―――!?」
ひなたからの、唐突なキス。そして、不意を突かれた所為か、俺はベッドに倒れる。
「ちょっ、ひなた何の真似だ?」
俺がそう聞くと、
「あのね、とばりちゃんが、男の人はクリスマスプレゼントに『今年のクリスマスプレゼントは私よ♪』って言ったら
喜んでくれるって………」
とばりのヤツ……なんて事教えてんだ。
「だから、ご主人様………ボクを貰って」
「……う」
マズイな……断りたいが、断ったらひなた泣くだろうなぁ……
「…しょうがないな……」
俺はひなたの頭を寄せて、もう一度キスをした。
クリスマスの翌日。26日水曜日。
「……ん…」
私は、カーテンの隙間から入る日差しで目が覚めた。
今日は水曜日。ペット病院は休みなので、遅く起きても特に問題は無い。
「……すぅ〜…すぅ……」
そして私は、目の前にケンタがいること、そして二人とも裸のままで寝ていた事を思い出した。
そういえば、「クリスマスプレゼントはボクだよ♪」とかケンタが言ってきて、その夜、一緒に寝たんだっけ……
誰が教えたか知らないけど……ある意味、いい迷惑ね。来年はこんな事にならなきゃいいけど……
「ん〜……ご主人様ぁ……」
私の右手は、まだ眠っているケンタが握っていた。
「…………」
私は無言で彼の頭を撫でる。そうすると、彼の寝顔が、笑顔になった。
夢の中でも、私に撫でられているのだろうか?
「ケンタ、クリスマスプレゼント、確かに受け取ったからね」
後書き。
クリスマスに書き始めて書き終わったのは大晦日だが関係ないぜ!!
クリスマスSS、ようやく書き終わりました。
う〜ん、でもちょっと簡略的に書き過ぎたかも。まだまだの腕前ですみません。
そういえば、エロネタとして「クリスマスプレゼントは私よ♪」ってネタをやってみました。
クリスマスの話なら、誰もが一度はやった事あるハズ! 古典的とか言わない!!
まぁでも、クリスマスプレゼントなのに、イブではなく当日に渡しちゃってますが……
だってしょうがないじゃん! 美奈を朝日で目覚めさせたかったんだよ!
でも彼女火曜は病院あるから……それに、冬だと朝日昇るの遅いし……
何かグダグダな後書きになりましたが、今回はコレで失礼します。ではでは〜。