紅陽華 様投稿作品


「潤、夏やな」
「何だ今更」
「というワケで、今度の日曜はみんなで海に行こうや!」
「相変わらずイキナリな思い付きだな。つーかというワケってどういうワケだ?」
「いや、夏やから」
「お前に聞いた俺がバカだった…………」








Enjoy Summer!







そういう事で(もう色々と端折っとくけど)俺達は海に来た。
「わーいっ、海ー♪」
「わは〜、海だ海だ〜〜♪」
海に行く前からはしゃいでたひなたとケンタは、海に着いてから更にはしゃいでた。
「ふふ、本当に二人とも元気がいいわね」
「まぁ、純粋に喜んでくれるのは嬉しいじゃないか。連れて来て良かったって思えて」
俺と美奈さんがそんな事を話してると、
「お〜い、お前ら〜〜………」
「ちょっとぉ〜、私と拓也さん以外に荷物運びやってくれる優しい人はいないワケ〜…?」
御堂と有紀ちゃんが重そうな荷物を運んできた。
「あっ、すいませんご主人様、わたしも…」
「いいのよ、シュウ。二人が荷物運び係なんだから。甘やかしちゃダメよ」
「え……そういうものなの? とばりおねーちゃん」
「そういうものなの」
あっちではとばりがシュウにそんな事を言ってる。
「ふぅ〜………よしっ、それじゃあみんな、着替えにいきましょうか」
「そうね、そうしましょうか」
こうして、俺達はそれぞれ水着に着替えに……って、アレ?
「宗像さんは?」
御堂は確実に既にいつもの服の下に着ているとして、宗像さんは着替えないのだろうか?
「ああ、僕は別に海に入る気は無いので………」
「えっと……じゃあ、そこの二人は?」
「えっ、オレ達、ですか?」
俺は今度はセイヤとまゆみの二人に聞いてみる。
「あ、私達は水着持ってないんです……必要ありませんから」
「えっ?」
「いやぁ……オレ達、海とか入れないんですよ」
何でも、二人とも以前川で溺れた経験があり、それ以来、海や川、更にはプールにも入れなくなったらしい(風呂は大丈夫なんだけど)
「でもせっかくだから、夏に似合う私服で来たんです」
「で、セイヤはアロハシャツに半ズボンで、まゆみはキャミソールにショートパンツって事か」
ついでに、頭にセイヤはサングラス、まゆみは日除けの白い帽子を被っている。
まぁ、確かに夏っぽいといえば、そんな服装だな。
俺は四人を残して着替えに行くことにした。


「えへへ〜、お待たせ〜♪」
「あっ、来た来た」
数分後、着替え終わった俺達は、四人のところへ向った。
ひなたは、ネームの部分に自分の名前が書かれた、美和のお下がりのスクール水着。
とばりは、紫に流星を思わせるマークの入ったビキニ。
美和は、エメラルドグリーンと白の格子縞のビキニ。
とばり以外は水着を変えてない。ひなたは俺が新しいのを買ってやると言っても、
「コレが気に入ってるのっ!」
って何度も言うので、結局ずっとあのスクール水着だ。
美奈さんは白いビキニか………やけに似合うな。
有紀ちゃんは、黒のVネックライインにボーイズレッグ………ん?
「はぅぅ………」
何だ? 様子がおかしいな……
彼女の視線の方に目を向けてみると………
「ひなたんのスク水カワイ〜」
「えへへ〜、そうでしょ〜」
ひなたのスクール水着姿を褒めてるケンタは、トランクスの水着を着ている。
で、有紀ちゃんの視線の先は、その隣の………
「あら、シュウその水着………」
「あっ…こ、コレ……ご主人様のお兄さんので…………」
シュウに釘付けになっていた。
シュウの水着は、ひなたと同じスクール水着。……一応言っておくが、男子用のだぞ。
どうやら、死んだ二人のきょうだいの健太のものらしい。が、それにしても………
「あぅ〜、シュウ可愛過ぎるよ〜〜 ……はっ」
「………へぇ、有紀のお兄ちゃんの、ねぇ………」
とばりの冷たい視線に気づく有紀ちゃん。
更にみゆきが彼女の後ろから腕を回し、
「へぇ〜、意外ですね〜。有紀さんがまさかショタコンだったなんてね〜」
「えっ、いっ、いや! ち、違うってば! 今のはシュウがあまりのも可愛らしくて………あっ」
御堂の手前、自分がショタコンだというのを必死に否定してたけど、自分で墓穴掘っちゃったか。
御堂が有紀ちゃんの方を見る。
「あっ、いやっ、違うんですよ拓也さん、私にはシュウに対してやましい気持ちは何にも………」
「分かっとるがな。自分の耳っ子が可愛くて仕方ないんは飼い主として当然やがな」
「そうですよね! 流石拓也さん、分かってるー」
とりあえず、ショタコンだという事は否定できたか。
「それじゃあ、まずはどうする? いきなり海に入る?」
「ボク、ビーチバレーがしたい!」
「ビーチバレーかぁ………」
確か、前に来た時もやったよな。思いっきり負かされたのを今でも覚えてる。
「ほな、みんなでコートに行こうか」




「いい、二人とも。やるからには絶対勝つわよ!」
「うんっ、頑張ろー!」
「勿論よ! ……それにしても、気合入ってるなぁ……」
一回戦は、ひなた、とばり、まゆみの三人と、ケンタ、シュウ、セイヤの三人による耳っ子対決。
どう考えてもとばりのいる方が有利そうだが……どうなるかな。
「とばりちゃんがいるからって、シュウ達が負けるとは限りませんよ?」
「有紀ちゃんまで勝手に人の考えてる事を読むなよ」
審判の方は、宗像さんがやってくれるらしい。
まず、最初のサーブはセイヤから。都合よく用意されていた笛を、宗像さんが吹く。
「おっしゃあ、いくぜぇぇぇぇぇぇ!!!」
うわっ、イキナリ叫ぶなよセイヤ………
「おぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
そして思いっ切りサーブ!
「きゃぁぁっ!!」
まゆみは、それを受け止ようとするどころか、あまりの凄さに怯んで避ける。
って、おいおい……何だあの凄いサーブは。地面にボールめり込んでるぞ………
「しゃっ! サービスエースゲット!」
「うわぁ! セイヤ兄ちゃん凄〜い!!」
「………………」
セイヤはガッツポーズをして、ケンタはセイヤの凄いサーブに感動し、シュウはあまりの凄さに口を開いたまま呆然としている。
「ちょっと、女の子相手に本気出すなんて、最低よセイヤ?」
「ハッ、勝負は常に真剣に、全力を出すのが相手への礼儀ってモンだ。それにとばり、お前相手じゃ尚更手加減出来ないからな」
セイヤのとばりを見る目はかなり鋭い。もしかしてアレか? 強者は相手を見ただけで実力が解るとかいうアレか?
「そう……… なら見せてあげるわ。私達の実力をね」
「おう、そうしてくれると嬉しいぜ」
どうやらとばりも本気を出してくるようだ。俺と御堂相手の時、その実力を見せつけ、更にひなた、美和との素晴らしいコンビネーション
を行ったとばり。
コレは面白い勝負になってきたな――――。
「行くぜとばりっ!!」
「来なさいセイヤっ!!」
うわぁ、この二人暑苦しいなぁ……似た者同士か?
「おらぁぁぁぁっ!!!」
セイヤの凄まじいサーブが再び繰り出される。それを受けるのは、今度はとばり。
「くぅっ!」
それを何とか受けるとばり。ボールは上空へ、そしてすぐに落ちてくる。
「ヤバっ! 間に合わないかも…あっ、バレーのルールでは……」
まゆみが落ちてくるボールに対して、驚くべき行動に出た。
「体の何処でボール返しても、いいんだよねっ!」
何と足でボールを打ち上げる。
「何っ!? それは予想してなかったぜ――!」
「ナイスまゆみ! よーしっ、いっくわよー!!!」
とばりがネット際でジャンプ。そしてボールがナイスな位置へ。
「えぇぇぇぇぇぇいっ!!!!」
とばりの強烈なスパイク!
「……っ! とばりおねえちゃん相手でも、手加減しないんだから!」
無謀にも、シュウがとばりのスパイクに喰らいつく。
「シュウ!? ダメだ、行くなぁっ!!」
………戦場の兵士かお前は。
バチィンッ!!
「ぎゃぁ!」
―――誰もが予想したであろう、最悪の結果が起きた。
とばりのスパイクはシュウの顔面に直撃し、シュウが倒れる。
「あぁっ!」
ケンタはボールの事も忘れてシュウの方に向く。ボールはコート外へ。
「シュウ、シュウ! しっかりしてシュウ! 死んじゃいやぁぁっ!!!」
有紀ちゃんがシュウの元へ駆け寄る。………ってか、死んじゃいやって死んでないだろ、普通に。
「……いたた……ご主人様、私は大丈夫です…アレぐらいじゃ死にませんって……」
「シュウぅぅぅ! 良かったぁぁぁぁぁ!!!」
「はわわ……ご、ご主人様ぁ……」
思わずシュウに抱き付く有紀ちゃん。シュウの方は、鼻血が出ているようだがすぐに拭き取り、
「私なら大丈夫! 試合続行ですっ!」
と言うので、普通はダメなのだろうが、シュウの試合続行を認めることにした(有紀ちゃんは最後まで反対してたけど)
「さぁ〜てと、ひなた、とにかくサーブは相手のコートに入るように打ってくれればいいからね」
「うんっ、解ったよ!」
サーブ権が移り、ひなたがサーブを行う事に。
「そぉ〜りゃぁ〜〜!!!」
大きく弧を描き、相手コートに落下していくボール。
「わわっ……とっ」
シュウがひなたのサーブをレシーブ。
「よぉしっ!」
「このっ!」
「させるかぁっ!」
セイヤのジャンプを見て、とばりとまゆみがブロックに入る!
が………
「………掛ったな」
不敵な笑みを浮かべるセイヤ。
「うりゃー!」
なんと後からケンタがジャンプし、そのボールを打つ!
「しまった、時間差攻撃!?」
「ヤバっ!」
スパイクの威力は弱いが、コレは入ったか、と思った時………
「とぉ〜りゃぁ〜!」
何とひなたがスライディングして、頭で打ち返した!
「ラッキー! えいっ!」
上がって、再び落ちてきたボールを今度はまゆみが上に上げて………
「よーしっ、えぇぇぇぇいっ!」
再びとばりがスパイク!
「うわっとっ!」
それをケンタがレシーブし、更にシュウがトス。
「うぉぉぉぉぉっ!」
「くっ………!」
再びセイヤがジャンプし、とばりがブロックしようとするが………
「………残念♪」
「えっ……」
セイヤはスパイクをせず、指でボールをチョンと押しただけ。つまりフェイントをしたのだ。
「わわわわ〜〜!」
ひなたが懸命に走ってボールに向かうも……間に合わず、ボールは地面に落ちる。ひなたはズッコけてスライディングした。
「やったー!」
「へっ、どんなもんだ!」



で………
「あぅ〜、負けたぁ………」
結局試合は、男子チームの勝ちとなった。
「……なかなか、強かったわね… 機会があれば、リベンジしたいわ」
「いつでもどーぞ」
「なら今すぐよ!」
とばりは言い放った。
「………マジか?」
「えぇ〜、ボク疲れたよ〜」
「ボクもう無理………」
「わたしも疲れましたぁ………」
「続行するんだったら、メンバー入れ替えて………」
というわけで、とばりチームには新たに美奈さんと美和が。
セイヤチームには俺と御堂が入る事になった。
「拓也さーん!! 頑張ってくださいねー!!!!」
「おう! 頑張るでー!!」
御堂を応援する有紀ちゃん。完全に贔屓だな。
「……ねぇ、いいんですか? 有紀のヤツ、完全に美奈先生応援する気無いみたいですけど………」
「いいのいいの」
こうして、第二試合が始まるのだった―――。



「はぁ、はぁ………そろそろ休憩にしないか?」
「何よ、この程度でだらしないわね」
「いや、この程度って言ってももう十試合はしてる気が…………」
あの後、セイヤのチームととばりのチームが勝ち負けを繰り返し、本当に軽く十試合した気がする。
「まっ、仕方がないか……休憩にしましょ」
前もって御堂が持ってきておいたパラソルには、ひなた達の姿。
「じゃあ、ボク達は海に入ろっか?」
「うんっ、入ろ入ろー」
休憩中だったケンタとひなた、それにシュウが海に向かう。
「じゃ、美和。三人を頼む」
俺は三人の保護者役を美和に頼む。
「うん、任せて」
「じゃあ、私も行きます」
「有紀ちゃん、大丈夫なんか? 休憩した方がええんとちゃうか?」
「大丈夫ですよ。海に入れば涼しめますから」
そう言って、有紀ちゃんも海へ向う。
「いやぁ、ホンマに若い事はええ事やなぁ」
「お前もまだ十分若いだろが」



「きゃははー、それー!」
「わっ!? やったなー!」
「うわわっ、ちょっ、激しすぎですよぉ〜」
「何言ってるのシュウ、こういうのは楽しまなきゃ! そりゃそりゃ〜!!」
「きゃぁぁ! ちょっ、ちょっと有紀さ〜ん……」
海で楽しく水を掛け合って楽しむ五人。
それを遠くで眺める、セイヤとまゆみの二人。
「楽しそうねぇ…………」
「そうだなぁ…………」
「私達もあんな風に水に触れて楽しんでた時期があったのよねぇ………」
「あぁ………」
「あの頃が懐かしわねぇ………」
「ホントだよなぁ………」
「「……………はぁぁ〜……………」」
二人の五人を見る目は、何か悲しそうだった………

「あっ、そうだ。スイカ割りしません? スイカ割り」
「へ? スイカ割り?」
突然まゆみがそう言ってきた。
「やっぱり夏で海と言えばスイカ割りでしょ? ちゃんと持ってきてるんですよ」
「じゃあ、ひなた達も呼んでこようか?」
「はい、お願いしますね」
俺は海に入ってる五人を呼びに行った。



「それで、スイカ割りってどうやるの?」
ひなたが聞いてくる。
「ひなたちゃんって、スイカ割りするの初めて?」
「うん、やった事ない」
「簡単だよ。目隠しをして、手に持った棒でスイカを割ればいいんだ」
「わぁぁ、楽しそう!」
嬉しそうに喜ぶひなた。あっちも準備が出来たらしい。
「じゃあ、一番最初はひなたがやるか?」
「うんっ、やるやる!」
ひなたに目隠しをして、棒を持たせる。
「うーん………」
早速ひなたが歩き出した。右寄りに進んでいく。
「ひなたー! もっと左だ左ー!」
と俺が言ってやると、
「…左ひだりっと……」
今度はどんどん左寄りに………
「違う違う、右だよー!」
「右みぎ………」
右と言われたらまた右寄りに、クネクネと移動する。まぁ、それを見るのもスイカ割りの楽しみの一つなんだけどな。
「よーしっ、ここだぁっ!!」
と、ひなたが思いっ切り棒を振り下ろした、が………
「……アレ?…………う〜、失敗したぁ………」
残念だけど外れ。スイカはひなたが振り下ろした場所よりも少し右だった。
その後、ケンタ、シュウ、まゆみ、とばり、セイヤもやったけど、全員割る事は出来なかった。
で、次の挑戦者は………
「よっしゃ! 私の出番ね!!」
有紀ちゃん、気合入ってるな。たかがスイカ割りでそこまで真剣になること無いだろうに………
「それじゃ、進んでいいわよ」
美奈さんがそう言った瞬間、
「よぉぉぉぉしっ!」
何といきなりダッシュ。 何でスイカ割りで走る必要があるんだ!? 危ないぞ!
「そこだぁぁぁぁ!!!」
そして思いっ切り振り下ろした棒は、スイカにジャストヒット!
もしかして、歩くよりも走った方が真っ直ぐスイカに行けると思ったからの行動か?
「やったぁ! 狙い通り!!」
…………どうやらそうらしい。一歩間違えば怪我してたかもしれないのに……
「全く、メチャクチャな妹ね」






「さてと…………」
もう大分暗くなってきて、全員が着替え終わった後………
「さ〜て、そろそろ夜の部の開始といこか!」
「よるのぶ………? 何するの?」
「これからみんなで花火大会や!」
「花火!? やるやるっ!」
「よっしゃー! ぎょーさん持ってきといたから、みんな思いっ切り楽しめー!!」
というわけで、みんなが手に花火を持ち、早速火を付けて楽しむ。
「いいですねー、こういうの私大好きなんですっ」
「そうかー、楽しんで貰えて俺も嬉しいわー」
御堂の近くで有紀ちゃんが楽しそうに言う。
「あの、ご主人様、これは何て言う花火ですか?」
シュウが有紀ちゃんの傍に、一つの花火を持ってきて尋ねた。
「えっと……ああ、コレはねずみ花火ね」
「ねずみ花火?」
「そ、シュウはコレ初めてだよね? ちょっと待って。今見せてあげる」
そう言うと、有紀ちゃんはねずみ花火に火を付けて………
「みんなー、危ないからちょっと離れてー!」
警告しておいて、ねずみ花火を置く。そして……
シュシュシュシュシュシュ!
「きゃぁっ!」
「うわわわわっ!」
ねずみ花火は炎を勢いよく吹き出し、回転しながら勢いよくはい回る。
暫く暴れまわってから、最後にパンッ!と弾ける。
「…とまぁ、こういう花火よ。――シュウ?」
「あぅぅ……こ、怖かったですぅ…………」
殆ど半泣き状態で、シュウは有紀ちゃんの後ろに隠れていた。
「ははは…… シュウにはちょっとねずみ花火は怖かったかな? じゃあ、線香花火でもする?」
「はいっ、わたし、線香花火大好きです!」
「あら、じゃあ、私もやらせてもらおうかしら」
有紀ちゃんとシュウ、とばりの三人は袋から線香花火を取り出す。
一方こちらは………
「? ご主人様と御堂さんは何してるんですか?」
「ああ、ロケット花火の準備をね」
あっちはロケット花火をするのか。
「―――よし、準備完了や。いくでー………」
御堂と宗像さんがロケット花火に次々に点火していく。
そしてロケット花火が次々に打ち上がり………
パンパンパンパンパンパン!!
大きな破裂音が、断続的に鳴る。
「うっひゃぁ………やっぱり凄い音ですね。しかもアレだけ打ち上げると………」
「何言うとんねん。やっぱ花火はド派手に打ち上げな!」
「相変わらずだな………」
「ねぇねぇ、ご主人様っ」
「ん?」
「これも花火なの?」
ひなたが持ってきたのは、市販の打ち上げ花火だった。
「ああ、コレは打ち上げ花火だな」
「えっ!? じゃあ、テレビとかでやってるヤツみたいに、どっかーんって大きなヤツなの?」
「そこまでじゃないけどな。でも凄いぞ。やってみるか?」
「うんっ!」
「じゃあ、其処に置いてくれ」
「うん、解ったよ」
ひなたが置いた打ち上げ花火に点火して、二人とも下がる。
そして、花火が一気に打ち上がり、パーンと音を立てて光り、夜空に散った。
「うわぁ、凄かったね、ご主人様! もう一回やろっ!」
「はは、そう焦るなって」
俺達は、夜の海で、存分に花火を楽しんだのだった。






そして――――。
「じゃあな」
「ええ、それじゃあね」
「またな〜」
俺達は『FRIENDS』にてそれぞれ解散した。
そしていつも通り美和を駅で見送り、俺とひなたは家路に着く。
「また来年も海に行こうね、ご主人様っ!」
「ああ、そうだな」
綺麗な星空の元を歩きながら、俺は答えた。





















後書き。
前もって言っておきます。このSSは一応七月の出来事です。
で、このSS書き終わったの九月二日……すげぇ、二か月のズレがあるwwwww
というのはどうでもいいとして、とにかく夏のSSが書けて良かったです。
ビーチバレーではとばりとセイヤがマジバトルです。本編でのとばりの凄さからして、相当の実力者で負けてもタダじゃ退かない
性格だろうなーと思いつつ、書いてて楽しかったです。
それとスイカ割り。夏の海といったらスイカ割りは欠かせません。
書いてて思ったのは、「多分、有紀の真似したら怪我するだろうなぁ………」
やっぱり無理があったかも。多分あんな簡単に成功しません。危険です。真似しないでください(多分誰も真似しないだろうけど)

それでは、また次回お会いしましょう。

































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